2018年11月30日

東海地方には、東海地方発の報道をするローカルメディアが必要です。
先日、改めてそう認識させられるイベントがありました。

 

先日、名古屋市内で東海地方のローカルメディア(Webメディア)を
対象としたイベント(対談および交流会)に参加しました。
趣旨は「東海地方のローカルメディアを盛り上げていこう」というものです。
私はこのイベントに、PR会社としての立場と、
「東海最前線」というメディア運営者という立場から参加させていただきました。

 

参加者のうち、グルメ情報のWebメディアを運営している方は、
「例えば飲食店をWebで探すときに、『ぐるなび』や『食べログ』はあるけど、
東海地方のお店を紹介するメディアが存在していなかった。
地域のお店を紹介するメディアが必要ではないか?」
という問題意識から、ローカルメディアを始められたということでした。

 

先日も、これと同じような問題意識を聞いたことがありました。
このイベントとは別に、以前、東海地方のシネマ情報メディアの運営者と、
元テレビ芸能記者の方と話していたときも、
「名古屋では芸能情報を扱うメディアが限られている」という話題になりました。
名古屋の地上波民放TV局でも、
名古屋局独自の芸能情報の枠がある番組は2,3程度しかありません。
新聞やWebメディアの芸能情報のスペースもそれほど多くはありません。

 

私が「東海最前線」を立ち上げたのも同じような理由からです。
「東海地方のビジネス情報を扱うWebメディアが存在していない。
東海地方のビジネス情報を紹介するメディアが必要ではないか?」
という問題意識があったためです。

 

現状は、全国に流通しているメディアの情報のうち、
東京発の情報と、地方発の情報の割合を比べると、
前者の方に大きく偏り過ぎているのではないかと思うのです。
(ここでは、ソーシャルメディアは除外して考慮します)

 

例えば、名古屋のテレビ地上波民放局の夕方の2~3時間程度の報道番組については、
全体の3割~7割程度、平均すると半分程度が東京キー局からの報道枠であり、
名古屋局からの報道は半分程度の時間枠しか確保されていません。

 

(参考)PRノウハウ30 名古屋の報道番組に企業がとりあげられるには?

 

東海地方で最も購読されている新聞の中日新聞でも、日によりますが、
全28面中、東海地方のことを報道する紙面は6~7面程度しかありません。
全国紙はこの割合がもっと少なく、全30面以上ある中で、
東海地方のことを報道する紙面は1~2面程度しかありません。

 

東京発の情報の中には、もちろん日本全体にとって不可欠な情報もありますが、
東海地方の人にとっては関係がない情報であることも少なくありません。
東海地方のメディアが、東海地方のことを報道する方が、
より、東海地方の人にとって関わりが深い情報を提供できるはずです。

 

これはPR(パブリシティ)にも深く関係します。
東海地方の企業にとって、東京のメディアにとりあげられる機会は限られます。
東海地方のメディアの方が、東海地方の企業の話題をとりあげる機会が多く存在します。
従って、東海地方のメディアが活発であり、報道枠が多く確保されている状態が、
PRに取り組む企業にとっても望ましいのです。

 

このように、東海地方の人にとって、東海地方発のローカルメディアは必要です。
従って、「東海地方のローカルメディアを盛り上げよう」という趣旨に私も賛成します。
改めて、東海地方のメディアの価値・必要性を認識したイベントでした。

 

弊社の「東海最前線」も微力ながら、東海地方のビジネス情報の発信に
貢献していきたいと考えています。