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PRノウハウ4

広告とPR・広報(パブリシティ)との違い



 PR・広報の仕事をしていると残念なことがあります。それは、「PR」について世間の認知度が低いことです。ほとんどの方は「PR」という言葉を聞いたことがあっても、恐らく企業のPRやPR会社がどのようなものか、ということを理解されているのは数%にとどまるのではないでしょうか。一般にはなじみがない仕事であるため、認知度が低いことは仕方ありませんが、理解していただける方が少しでも増えると嬉しいです。

 「弊社はPR会社です」と言うと、よく混同されるのが広告代理店です。クライアント企業の認知度を高めるという意味では、共通する部分もありますが、実はPR・広報と広告は正反対の位置づけにもなります。そこで、広告とPRの違いについて説明します。

広告とは
 広告とは、クライアント企業がお金を払って、メディア(新聞、雑誌、テレビ、Webなど)の広告枠(広告ページ、CM時間、広告枠)を購入し、その中で自由に広告表現をするものです。指定したメディアに、指定した通りの内容の広告が掲載または放送されます。広告費はその対価となります。広告代理店はこの取引を仲介します。

PRとは
 PRとはPublic Relationsの略で、本来は企業等が行うステークホルダーに対するコミュニケーション・関係構築の全体を表します。広報も本来はPRとほぼ同義と考えて差し支えないでしょう。しかしながら、国内で「企業のPR・広報」、「PR会社」というときの文脈で使うPRは、一般にはPublicity(パブリシティ)活動のこと、すなわち企業などがメディアへの露出をする際の働きかけをする活動を指します。
 詳しく説明します。PR・広報(パブリシティ)は、企業などの取り組みや商品・サービスなどの話題をメディアでとりあげて欲しい場合に、まずその話題に関するプレスリリースなどの資料を作ります。そしてその資料を用いて、メディア(新聞・雑誌、テレビ、Webなどの編集長や記者やライター、プロデューサー・ディレクターなど)にその話題について説明・プレゼンテーションします。その話題がメディアの記事や放送の企画に合うとメディアが判断した場合に、メディアは必要に応じてその話題について取材を行い、その結果、メディア自身のコンテンツとして、記事や放送の中にその話題がとりあげられます。
 結果として分かりやすい例は、日経新聞やテレビ東京系の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」で企業の取り組みや商品が紹介されることです。これらの記事や放送の中には、PR会社が仲介してとりあげられているものも少なくなく、私自身も何度かその現場に立ち会いました。

 広告とPR・広報の大きな違いについて3つの点で比較します。

<広告とPR・広報の比較>
1.信頼性
 従来はテレビCMや新聞広告には大きな影響力がありました。しかしながら、昨今の消費者は賢くなり、広告を鵜呑みにしなくなったという指摘もあります。
 PR・広報の結果としてのメディア露出は、メディアの記者・編集者というフィルターを通して吟味・厳選された上で露出するものであるため、一定の信頼性が生まれます。企業や商品・サービスが、新聞や雑誌の記事、あるいはテレビ番組で紹介されることは、消費者の信頼を獲得する大きな材料となります。

2.結果の保証
 広告は、指定したメディアに、指定した時期に、指定した内容が掲載または放送されることが保証されます。そのため、確実にあるタイミングで何かを伝える際には、広告が有効です。
 PR・広報は、結果が保障されないというリスクがあります。いくら頑張ってメディアに働きかけても、話題の魅力がない場合や、タイミングが悪いなどの理由により、取り上げられないケースもあります。広告の場合は意図した広告掲載やCM放送がされますので、広告とPRの大きな違いの1つです。

3.費用
 広告は、メディアによって異なりますが、紙メディアは数万円~数百万円、テレビCMはまとめて数千万円単位となり、比較的大きな料金がかかります。また、広告代理店はマージンとして広告料の15%前後を受け取ります。
 PR・広報は、基本的には無料です。メディアの記者が企業を取材しても、その結果として記事が掲載されたり、テレビで放送されたとしても、企業が費用を支払う必要はありません。ただし、PR活動自体に費用はかかりませんが、PR会社に委託した場合は、活動費や成果報酬費などの形でPR会社への費用が発生します。

 以上、広告とPR・広報の違いがお分かりいただけたでしょうか。なお、実際にはこれらが混ざり合うようなケースもあります。その点はまた機会があるときに触れたいと思います。

 本稿では、広告とPR・広報は異なるものだということをお伝えしたかったのですが、それぞれの特長があります。ここでは触れませんでしたが、一口に「広告」と行ってもその中身は様々です。また、広い意味のPR・広報に含まれる、自社のWebサイトやSNSにおける情報発信も忘れてはなりません。
 結論として、企業としては、広告、PR・広報、それぞれの手段の特長を理解し、長所を生かした最適なコミュニケーションを行うことが大事です。


著者 門脇 純