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PRノウハウ27

よく驚かれるテレビ局の常識①


 
 テレビ局にとっては日常業務であり常識のことでも、取材を受ける側には驚かれることがいくつかあります。テレビへのPRアプローチを行うのであれば、それらの「常識」を知っておくに越したことはありません。
 今回は、取材時間数と放送時間数が大きく違うという点について説明します。

 

 
あんなに取材したのに放送時間これだけ?
 
 3時間の取材時間に対して放送時間はたったの3分。このようなことは普通にあることです。
 これまでの取材経験で、取材させていただいた方からよく言われたのが、「あんなにテープ回していたのに、放送時間って短いのですね」という言葉です。インタビューも「10~20分ぐらい聞かれたのに、1分ぐらいしか使われていなくて、あっけなかったです」という感想をいただいたこともあります。以後、取材の申し込みをするときや取材当日に、だいたいの放送時間の目安をお伝えしたり、インタビューで緊張している方の場合は、「放送されるのはほんの少しですから大丈夫ですよ」と安心材料に使ったりするほど、取材される側にとっては取材時間と放送時間の間に大きなギャップがあります。
 
 1分のニュースを構成するのに、1時間ぐらいの取材が必要です。6分ぐらいの特集になると、1か所だけではなく、数カ所の取材先を回り撮影します。60分番組になると数年かけて取材をしています。年単位の取材を受けた人なら、「映画でもできるのか?」と勘違いするほどかもしれません。
 
 
「10」取材して「1」放送

 新人記者のころには、「『10』取材して『1』放送」と教えられます。たくさん取材してきたものの中から、より分かりやすく伝えるために厳選された情報だけを放送しているのです。カメラマンは同じシーンでも、違う角度から何カットも撮影しています。「10」撮影した中から渾身の「1」カットを使っています。インタビューもたくさんお話を聞かせていただいた中から、インパクトのあるフレーズを選んでいます。放送の趣旨に関係のない話はカットしますし、原稿で伝えた方が分かりやすい場合も使いません。
 
 また、いつも期待通りの内容を取材できるわけではありません。実際に取材してみたら、思ったほどインパクトのある映像が撮影できなかった、驚くようなことが起こらなかった、ということもあります。そのような場合は、せっかく手間と時間をかけて取材した内容も、放送には使わないということもあります。これも、「10」取材したうち放送されない「9」に含まれます。
 
 街頭インタビューを受けたことがある人は、「テレビにインタビューされた~!」などと興奮して友達に知らせたのに、放送されなくて残念だったという経験をしたかもしれません。街頭インタビューの場合も放送で3~4人使うとしたら、最低でも20人ぐらいには聞いています。つまり、該当インタビューの大部分は放送では使われていないのです。街頭インタビューで採用する方を選ぶ際には、普通のインタビューと同じで、放送の趣旨に合った話を答えてくれたという点のほかに、話し方が分かりやすいかどうか、編集しやすい秒数で答えてくれたかどうか、このような観点を考慮して選んでいます。
 
 取材されたけれど、放送されない場合がある。放送されるのは、取材した中のほんの一部分だけ。そのように理解しておいていただければと思います。
 
 
著者
木下 真樹子