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PRノウハウ12

話題を作る切り口 8.調査結果を発表する



 「当社にはメディアに紹介するネタがない」という企業にもお勧めできる、ゼロから話題を作る方法の1つとして、前に「話題を作る切り口6.イベント・取り組みを紹介する」について説明しました。
 今回ご紹介する「8.調査結果を発表する」も、それと同じようにゼロから話題を作る切り口、しかも、企業の事業テーマに沿った切り口の情報発信ができるです。ただし、今回の方法は調査を行う必要がありますので、少し手間・予算がかかることを、先にお伝えしておきます。

 あなたもメディアが番組や記事の中で、調査結果、例えばアンケート調査結果がとりあげられていることを目にされたことがあるかと思います。そのような露出を狙い、御社が調査を行って、その結果をメディアに情報提供
することで、調査主体として御社の名前がメディアに露出します。さらに、調査結果に付随してあなたの会社のコメントが引用されれば、あなたの会社がこのテーマについて専門性を持っているという認知を与えることにもなります。
 調査の種類は、業種によっては計測結果や実験結果を発表することもできますが、どの業種でも応用できる最もポピュラーな調査は、アンケート調査です。以下ではアンケート調査について解説します。

 例えば最近では次のようなアンケート調査結果が発表されました。

<アンケート調査結果が話題になった例>
・認知症の診断と治療に関するアンケート調査(製薬企業)
・子どもの結婚式に関する親世代のアンケート調査(ウエディング企業)
・夫の家事貢献に関する意識調査(浴室洗浄器販売会社)
・看護師の研修に関するアンケート調査(eラーニング会社)
・駐車場の利用実態調査(駐車場シェアリング会社)

 ここで、調査を行う場合に、誰に解答してもらうか、が一つの問題です。調査会社に費用をかけなくても、あなたの会社にある顧客名簿にメールを送ってアンケート調査に協力してもらえばよいのではないか、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、その方法は通常はお勧めできません。なぜなら、通常、メディアが取り上げたい調査結果は、あなたの顧客の実態ではなく、一般の消費者や事業者の実態だからです。従って、一般の消費者や事業者を代表するサンプルに回答してもらう必要があります。(なお、一部には特定企業の顧客の解答で成り立つケースもあります。)

 そこで、このようなアンケート調査は、回答者の代表性の観点から、通常はアンケート調査モニター(回答する人たち)を保有する調査会社に依頼して行われます。モニター管理やサンプル抽出を適切に行っている調査会社であれば、そのサンプルが、一般の消費者や事業者を代表していると説明することができます。なお、一見、調査会社のように見えても、単にポイント会員に調査協力を依頼するだけで、モニター管理や抽出を適切に行っていない会社もありますので、必要に応じて調査会社に確認するとよいでしょう。

 このようなアンケート調査は、調査に回答した人の数、すなわちサンプル数が多ければ多いほど信頼性が増します。ただ、サンプル数を多くすると、それだけ手間や費用がかかります。どれぐらいのサンプル数が妥当なのか。調査の内容により求められる水準が異なりますが、一般的なアンケート調査では、300~1000程度が妥当な水準と言えます。

 どのような質問をして、調査結果を得ればよいのでしょうか。調査票を作るには、一定のノウハウが必要です。調査を実施した経験がない方は、調査経験者に助言を求めることをお勧めします。
 若干のヒントをお知らせすると、インターネットで検索して、あなたの会社の事業内容に関係するアンケート調査や、違う業界であっても参考になるアンケート調査を、片っ端から集めていただくことです。中には、新聞やWebメディアで記事になった事例も見つかるかもしれません。それらを参考にすれば、どのような調査内容で、どのような切り口が記事になっているかが、分かってくるのではないかと思います。
 ここで、調査結果をメディアにとりあげてもらうには、何か新しい切り口で調査結果を紹介できる必要があります。そのような、新しい切り口になる可能性がある設問を、盛り込んでおくことが大事なポイントです。ただ、実際に調査をしてみると、その切り口では期待していたような結果が得られなかった、という場合もあります。そこで、新しい切り口になる可能性がある設問は、複数盛り込んでおくことをお勧めします。

 昨今、製薬業界や自動車業界で、データの不正や改ざんが話題になりました。調査においても、あなたの会社にとって有利なデータを得たいからと言って、意図的にデータを改ざんしたり、アンケート調査で意図的にある結果を導くようバイアスをかけるなどの行為は、不正ですので、行ってはなりません。メディアや調査に詳しい人が見たり、調べたりすれば、分かることもあります。そのような不正は、やろうと思えば簡単にできてしまいます。しかしながら、そのような不正を行う企業は、一時的に社会を欺くことができたとしても、いずれは不正が明るみになり、社会から制裁を受けることでしょう。広報・PRに携わるプロとしては、正当な手段で入手した、真実のデータをもとに、いかに注目される情報発信を行うかが、の腕の見せ所だと思います。

 調査会社に300サンプル~1000サンプルで、設問は20問前後の設問数で依頼すると、調査票作成、集計・分析は依頼しない場合でも、10~40万円程度の費用がかかります。また、サンプルの選び方によって、例えば「○○を利用している人」を対象者として絞り込む場合は、スクリーニングという、絞込み調査も行うため、プラス数万円の費用がかかることがあります。ここで、調査会社によっては、予め「○○を利用している人」のデータを保有しており、スクリーニングを行う必要がない場合もあります。このように、料金表だけでは分からない費用もありますので、複数の調査会社で見積を比較するとよいでしょう。

 なお、広報予算では調査費用までまかないきれない、という会社もあるかもしれません。今回のアンケート調査は、第一にはメディア露出を狙って行うものですが、そのデータは、あなたの会社の中で、市場を把握するために、あるいは顧客に説明する材料として、いろいろな用途で使うことができるものです。アンケート調査は広報部門にとどまらず、全社的な視点で検討されることをお勧めします。

 あなたの会社でも、メディア露出を狙って、あるいは社内で役立てるために、アンケート調査を行うことを、検討してみてはいかがでしょうか。


著者 門脇 純